最近、話題になっている保険で「働けなくなった時の保険」があります。一般的には就業不能保険といい、その名の通り、働けなくなった時の収入をカバーするための保険です。保険会社によって、給与サポート保険、家計保障保険、収入保障保険、働けなくなった人の保険など名称は様々です。
CMでも取り上げられる就労不能保険ですが、必要か必要ないか、必要だとすればどんな人に必要なのかわかりやすく説明します。また気になるのは、本当に役立つ保険なのかどうか。この点も検証してみました。
就業不能保険とは?給付の条件は?
就業不能保険とは
病気やケガで働けない状態(所定の就業不能状態)が長く続いた場合、傷病手当金や障害年金といった公的保障だけでは十分にカバーできない長期の収入減少に備えるのが就業不能保険です。
一般的に「就業不能状態」とは、病気やケガによって入院や自宅療養が余儀なくされたり、障害が継続したりして、就労(就業)ができない状態を指しますが、明確な定義はありません。
就業不能状態について明確な定義なない上、支払い(給付)の条件が、保険会社各社異なるため保険のプロからみても非常にわかりにくいのが現状です。
どんな時に給付受け取れるのか
例1
- 5疾病による就業不能状態が60日を超えて継続したと診断されたとき
- 病気やケガにより所定の障害状態に該当したとき
- 病気やケガによる要介護状態が180日を超えて継続したと診断されたとき
例2
例3
- 病気やケガで働けなくなったとき
- 入院中だけでなく所定の在宅療養では働けない場合
とりあえず、3社の就業不能保険の商品紹介ページから給付の条件を確認してみました。
これだけをざっと見てもわかるとおり、各社とも給付の条件は異なり、支払い条件はかなり厳しいといえます。
さらに、最近では、いわゆる「メンタル疾患(メンタル疾患による就業不能)」を保障する保険もできており、逆に、どの保険でもメンタル疾患も保障すると勘違いされる方も出てくると思います。
たんに病気やケガで仕事を休んでいるだけでは「就業不能」とは見なさず、「病気やケガで入院または医師の指示で在宅療養をしており、少なくとも6カ月以上いかなる職業においても全く就業できないと医学的見地から判断される状態」になって初めて給付の対象になる、ということなので、働けなくなったらすぐ受け取れるわけではない、ということは理解しておいた方がいいです。
ポイント
- どんな状態のとき給付されるか
- メンタル疾患は対象かどうか
- 就労不能の認定は一度でいいか、毎年必要か
- 給付の途中で亡くなったとき、残りを死亡給付として受け取れるか、受け取れないか
就業不能保険は必要か?
就業不能保険は必要か、を検討するにあたり、働けなくなったときや万が一のとき受けられる公的保障制度も知っておくのがいいです。
働けなくなった時
- 傷病手当金(健康保険に加入の場合)
健康保険に加入している会社員の方は、就業不能状態が続くかぎり、働けなくなって4日目から1年6カ月の間、給料の約2/3に当たる傷病手当金を受け取ることができます。もしも月給が30万円の方であれば、20万円の傷病手当金を受け取れる計算になります。
障害年金
- 障害年金とは、病気やケガなどにより身体に障害が残り仕事や日常生活に支障をきたすとき、国から年金や一時金を受け取れる公的年金制度の一つです。
- 受け取れる金額については、加入している公的年金や、定められている障害の等級(重軽度)、および子供の有無に応じて変わってきます。
ですので一概に受け取れる金額を明言できませんが、働けない状態が長期間に及んだ場合、かなりの助けになることは確かです。
会社員で健康保険に加入の場合、有給の消化、傷病手当金と、働けなくなったときにもすぐさま収入がゼロになるわけではありません。
一方、自営業の方、非正規雇用などで健康保険のない方などは、働けなくなるとたちまち収入がゼロになるケースもあります。
働けなくなっても、家族と自分の生活費、子どもの教育費、住宅ローン(家賃)など、それまで通りに支払いはある上に、医療費や治療費がかかるということになります。自営業の方は公的保障制度が手薄い部分を補うために、民間の就労不能保険を準備するというのはアリでしょう。
ちなみに、筆者は健康保険に加入していないため、就労不能保険に加入しています。しかしながら、商品改定も多く、各社新商品を出してくることなどから、自分の保険の支払い条件がどうだったか、度々確認したり、新商品と比較したりしています。必要性は感じるため、備えてはいるものの、非常にわかりずらい保険だと感じます。
まとめ
最近話題の「就業不能保険」。まだ開発途上の分野で、今後商品改定や、新商品が出てくる可能性は高いです。
死亡保険、医療保険と比較すると、就業不能保険は、給付の条件や期間に特徴があり、各社異なっているのが特徴です。
公的な所得保障制度との兼ね合いも考慮した上で、民間保険会社の商品を活用するべきかどうかを検討し、いざという時にも生活に困ることのないようにしておきましょう。
今後を考える
「働けなくなったら・・」。ある意味亡くなるより経済的ダメージは大きいかもしれません。
これからの時代、なんとなく過ごしているだけでは苦しくなるばかり。何かしら手を打たないと、と漠然と感じている人も増えています。
あなたはいかがですか?
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