2020年4月から実施予定の、大学無償化にあたり、高校3年生ではすでに手続きが始まっています。すでに大学に入学している在学生もこの支援制度の対象となり、大学等での申請受付が11月から始まります。
授業料等減免制度の創設と、給付型奨学金の支給の拡充の2本柱ですが、在学生のうち、すでに貸与型奨学金と併用している者については親の負担増の可能性もありそうです。現在わかっている範囲で確認していきます。
大学無償化 在学生の手続きはいつ?
大学・短大・高等専門学校・専門学校での学びの支援が令和2年4月からスタートします。新制度の対象校が9月20日に公表され、9月30日対象校の一覧表が更新されています。
在学生は、自分が通っている大学等が制度の対象になったかどうかまず確認が必要です。対象となっているということになると、大学等での申請受付が11月1日から始まります。申込期間は2019年11月1日~30日です。→申請期間が延長され、12月18日までとなりました。
大学等により締切日等が異なるため在学の学校の指示に従ってください。
在学生の申込資格・選考基準は?
2020年度に進級を予定し、以下の1.申込資格及び2.選考基準の両方を満たす人が対象になります。
大学等への入学時期等に関する資格
- 高等学校等を初めて卒業(修了)した日の属する年度の翌年度の末日から大学等へ入学した日までの期間が2年を経過していない人
- 高等学校卒業程度認定試験(以下「認定試験」といいます。)の受験資格を取得した年度(16歳となる年度)の初日から認定試験に合格した日の属する年度の末日までの期間が5年を経過していない人(5年を経過していても、毎年度認定試験を受験していた人を含みます)で、かつ認定試験に合格した日の属する年度の翌年度の末日から大学等へ入学した日までの期間が2年を経過していない人
在留資格等に関する資格
外国籍の人は、次の1~3のいずれかに該当する人のみ申込みができます。
日本国籍の人は、上記(1)を満たせば申込みができます。
申込みの際は、在学する学校(または出身校)を通じて、在留資格及び在留期間の記載がある「住民票の写し」または在留カードのコピーの提出が必要です。
1.法定特別永住者(※1)
2.在留資格(※2)が、「永住者」、「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」である人
3.在留資格が「定住者」であって、将来永住する意思がある人
選考基準
- 在学中の学生については、直近の住民税課税標準額や学業等の状況により、支援対象者の要件を満たすかどうかを判定し、支援措置の対象とする
- 予期できない事由により家計が急変し、急変後の所得が課税標準額に反映される前に緊急に支援の必要がある場合には、急変後の所得の見込みにより、支援対象の要件を満たすと判断される場合、速やかに支援を開始する
「学業等の状況により」という表現のため、選考基準はここでは明記されていません。
すでに支援を受けている者が継続して受けるための学習状況に関する要件は以下の通りで、これに満たない場合には支援を打ち切ることとする、とあります。
○次のいずれかの場合には、直ちに支援を打ち切る。なお、その態様が著しく不良であり、懲戒による退学処分など相応の理由がある場合には支援した額を徴収することができる。
ⅰ 退学・停学の処分を受けた場合
ⅱ 修業年限で卒業できないことが確定した場合
ⅲ 修得単位数が標準の5割以下の場合
ⅳ 出席率が5割以下など学習意欲が著しく低いと大学等
が判断した場合○次のいずれかの場合には、大学等が 「警告」を行い、それを連続で受けた場合には支援を打ち切る。
ⅰ 修得単位数が標準の6割以下の場合
ⅱ GPA(平均成績)等が下位4分の1の場合
(斟酌すべきやむを得ない事情がある場合の特例措置を検討中)
ⅲ 出席率が8割以下など学習意欲が低いと大学等が判断した
場合
これらと同等であると考えておけば間違いない水準と言えそうです。
貸与型打ち切りの世帯も!?親の負担増?
高等教育の修学支援新制度(大学無償化)のスタートに伴い、授業料・入学金の免除または減額と、返還を要しない給付型奨学金の大幅拡充が行われます。
現在、JASSOの奨学金を利用している場合で、新しい給付型奨学金を受給することになったときの現在利用している奨学金はどうなるのでしょうか。
- 現在利用している奨学金が給付型奨学金の場合は、辞退することになります。
- 第一種奨学金(無利子)の場合は、新しい給付型奨学金の区分(第Ⅰ区分~第Ⅲ区分)に応じて、貸与を受けられる金額が制限されます。
- 第二種奨学金(有利子)の場合は、影響されません。
上記のように、現在利用している奨学金によって対応が異なります。
気になるのは、「新しい給付型奨学金の区分(第Ⅰ区分~第Ⅲ区分)に応じて、貸与を受けられる金額が制限される」という点。
これまでの貸与型の奨学金は、学生本人が返していく制度です。ケースバイケースとも言えますが、基本的には、学生本人も、卒業後返済していくことを納得の上で、利用している、というのが大前提です。
しかしながら、貸与を受けられる金額が制限されることによって、学生本人の卒業後の負担はゼロもしくは軽減されるのは間違いないことですが、その分、在学中、親の毎月の負担は増えるといった現象も起こりそうです。
本人が返していくなら・・と親子で話し合いの上、奨学金利用を決め、進学した家庭にとっては、支援額が拡充するとはいえ、少し想定と変わってくることになります。
まとめ
子どもが高校等にいるときの手続きは、親と直接相談し、親も手続き等に関わって奨学金を利用することがほとんどだと思いますが、すでに大学等に進学している場合には手続きは学生本人主体となってきます。
特に、親元を離れたりしている場合には、この制度自体を、本人が、我が事として捉えて自主的に手続きするのかどうかも、子を持つ親としては気になるところです。
ポイント
- 在学生の手続きは11月1日~11月30日
- 10月中には、文部科学省やJASSOのサイトで、制度の詳細や自分が対象になりそうかを確認し、学校から申込書類をもらいましょう
- 11月1日からの手続きにはマイナンバーをJASSOに提出することが必要
- 2020年3月~ 学年末に学業成績などを確認のうえ、大学等からJASSOに推薦します
- 2020年4月~ JASSOが選考結果を通知したうえで対象者に支給を開始します
大学等からのアナウンスもあると思いますが、親からの声がけも必要かと感じます。
新しい情報が分かり次第、情報を更新していきます。