今回はがん保険の選び方のポイントをお伝えします。
がん保険は、がんにかかったときの医療費をはじめとした経済的な負担をカバーしてくれる保険で、がんの保障に特化しています。平成30年の民保加入世帯(かんぽ生命を除く)におけるガン保険・ガン特約の世帯加入率は62.8%(前回60.7%)となっています。
比較的高い加入率ではありますが、いざがんに罹ったとき、本当に役に立つがん保険に加入できているのでしょうか。
今回はこれからがん保険の加入を検討している方や、すでにがん保険に加入しているけど内容は今ひとつわからず加入している・・という方に向けて、本当に役に立つがん保険の選び方のポイントをお伝えします。
がん保険の選ぶときに知っておくべき基礎知識
多くの会社のがん保険は基本保障+特約という構成になっています。保険会社によって、そもそも基本保障の捉え方もまちまちですので、ここではがん保険の保障について簡単に解説します。
診断給付金(診断一時金)
がんと診断されたときに受け取れる一時金です。診断給付金の金額は、50万円や100万円、200万円、300万円など、様々なタイプがあります。基本的には100万円~300万円の間で、50万円もしくは100万円単位で設定できるものが多いようです。
- 診断給付金の受け取れる条件が各社異なる
がんと診断確定されると出るもの、がんと診断され治療を開始したらでるもの・・など保険会社により受け取れる条件が異なります。 - がん診断給付の上皮内がんに対する保障の違い
上皮内がんも同額保障のもの、半額保障のもの、上皮内がんは対象外のものなど、これも保険会社により異なります。 - 複数回払の条件の違い
診断給付が1回限りのもの、複数回払いのもの、複数回が1年に一度、2年に一度、3年に一度など各社異なり、しかも給付の条件も異なるので注意が必要です。
入院給付金
がんで入院したときに支払われる給付金です。基本的に「入院1日につき○○円」といった形で給付日額が決まっており、入院日数に応じて給付金を受け取ることができます。がんの入院で日数無制限が一般的です。
通院給付金
がんで通院したときに支払われる給付金です。基本的に入院給付金と同じように、「通院1日につき○○円」といった形で給付日額が決まっており、通院日数に応じた給付金が支給されます。
通院給付金は、退院後○日以内の入院で○日まで、と各社条件が異なります。診断確定の○日前の通院も保障する商品もあります。
手術給付金
がんで所定の手術を受けたときに受け取れる給付金です。給付金額は、1回の手術につき所定の金額を受け取れる固定給付型と、手術の種類に応じて金額が変わる変動給付型に分かれています。
先進医療給付金
がんの治療を目的として先進医療を受けたとき、その技術料をカバーしてくれる給付金です。一般的には通算1,000万円もしくは2,000万円の範囲内で、実際にかかった技術料を実費保障します。
最近では、がん先進医療給付を受けられる場合に、先進医療にかかる技術料相当額の20%とか30%をプラスαで給付する商品もあります。
いざ先進医療を受けるとなると、県外に通院、宿泊・・というケースも有り、交通費やその他諸費用に当てられるお金として使うことができます。
放射線治療給付金
がんの三大治療法の1つである放射線治療を受けたときに支払われる給付金のことです。基本的には放射線治療同一月1回を限度に10万円~30万円を支給されるといったものが多いようです。
抗がん剤治療・ホルモン剤治療給付金
がんの三大治療の1つである化学療法(抗がん剤治療・ホルモン剤治療など)を受けたときに支払われる給付金です。基本的には抗がん剤治療やホルモン剤治療を受けた月ごとに同一月に一回を限度に10万円~30万円が支払われるタイプが多くなっています。
本当に役立つ保険を選ぶポイントは?
最新のがんの医療事情に合っているか?
がんによる入院は短期化の一途を辿っており、2017年時点では約17日にまで短くなっています。
最新の医療事情のポイント
- がん治療は入院よりも通院がメインである
- がんで入院したとしても入院日数は短い可能性が高い
- がんの代表的な治療方法としては、手術療法、化学療法、放射線療法があり、これらはまとめて「がんの三大治療」と呼ばれている。今のがん治療においては、がんを発症した部位や症状に応じて、三大治療のうち適した治療が行われることが多くなっている
- すでにがんは「死に至る病」ではなく「治せる病気」という位置づけであり、がんに関するリスクが「死亡」から「再発・転移」に変化していること
健康保険の対象外の治療も保障されるか?
先進医療に対応できるか
「先進医療」は、厚生労働省が認めている最新の医療機器や薬を使った治療や、高度な医療技術を用いた治療です。有効性・安全性の情報がまだ十分に得られていないため、公的医療保険の適用は検討段階ですが、治療の選択肢を広げるために、保険診療との併用が認められています。
中央社会保険医療協議会の「平成29年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」によると、患者の自己負担となる先進医療の技術料は、重粒子線治療が3,149,172円、陽子線治療が2,765,086円と非常に高額です。そのため、先進医療費特約は付けておくのが安心です。
自由診療に対応できるか?
健康保険等を使用せずに治療を受けることです。がんに有効な新しい治療法が世界中で開発される中で、国内未承認の抗がん剤などによる治療は、健康保険等が適用されず、先進医療にもあたらない場合があり、その際は自由診療で受けることになります。(一連の治療で、健康保険等を適用した治療との併用(混合診療)は、現在の医療保険制度では原則として認められていません。)
つまり、本来健康保険等が適用される治療も含め、すべての治療費が全額自己負担となります。
そのため、有用性が見込めても、経済的な理由からその治療を諦める・・という現実が数多く存在しています。
一般的ながん保険では、支払い条件に「公的医療保険制度の給付対象となる手術・放射線治療・抗がん剤治療をうけたとき」という条件があり、自由診療等では給付の対象外となることもあることに注意が必要です。
自分にとっての最優先は何か?
保険の相談をする中で、人によって優先順位は違うのかもしれないと感じます。保険の仕事に長く携わってみて感じるのは、保険料と年齢、性別、保障内容は当たり前だけどうまく計算されているということです。
- 保険料
- 保険料が変わらないこと(上がらないこと)
- 保険会社
- 保障内容
優先順位は人によって色々ですが、個人的に私なら、もしがんと診断されたときには、「経済的な心配なく最良の治療を選択できる」という選択肢を持っていたいし、家族にも持たせていたいと思います。
保険料が上がるものはいや、とか、保険料はできるだけお安く、とか。
でももしがんに罹ったとき、治療費の足しになるものではなく、せめて「経済的な不安は払拭できるもの」を選ぶのががんに特化した保険に加入する意義ではないかと感じます。
自分の中での優先順位、今一度真剣に考えてからの加入検討をおすすめしたいです。
まとめ
がんの治療はお金と情報がその後の経過を左右するとも聞きます。一般的には、健康保険の対象になる三大治療が優先的に行われようとするのかもしれません。
ですが、経済的な理由で、治療の選択肢が広がるのであればその対応もできることならしておきたいものです。
がんの治療方法も、健康保険制度もどんどん進化し、改正にもなっています。がん保険の選択のポイントは、
- 昨今のがん治療の現状にあった保障内容になっているか
- 現在の健康保険制度にあった保障内容に合っているか
- 自分にとっての最優先は何か
古くからがん保険に加入している方も、これからがん保険の加入を検討される方も、いざの時に本当に役に立つがん保険を選ぶ時に参考にいただければ幸いです。
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