FPのお金の話

老後の年金 不足額はいくら? 不足分は何で準備する?

老後生活費を考えたとき、年金だけでは不足するというのは比較的容易に想像できます。ただし、不足額がいくらなのかは、人によって異なります。

まずは自分の年金はいくらなのか、老後生活費に対して、不足額はいくらなのかを把握することが重要です。その上で、不足分を何で準備するか、何で補うかの選択肢をわかりやすく解説します。

老後の年金 不足額はいくら?

老後生活に必要な金額の目安

「家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年)」に掲載されている高齢夫婦無職世帯の家計収支のデータによると、世帯の毎月の実収入は22万2834円。そのうち年金などの社会保障給付の割合が91.5%を占め、20万3824円です。

一方支出は、食料や住居、保健医療費などの消費支出が23万5615円、税金や借入金の利子などの非消費支出が2万9092円で、合わせると26万4707円。毎月4万1872円の不足分が出ています。

老後必要資金はいくら?

厚生労働省の「平成30年簡易生命表の概況」によると、2018年時点で日本人の平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳です。

60~65歳で退職するとして老後を約20年間として考えるなら、その間の支出額は月約26.5万円×20年間で6360万円。

ざっくりいうと、この金額を年金や貯蓄でまかなっていくということになります。

受け取れる年金額はいくら?不足額は?

国民全員が「国民年金」に加入し、サラリーマンや公務員などはそれに加えて「厚生年金」にも加入するという、2階建ての構造になっています。ちなみに、サラリーマンの配偶者は「国民年金」に加入します。

厚生労働省が毎年度発行する「厚生年金保険・国民年金事業の概況」の平成29年度版によると、2017年度末現在で

  • 厚生年金保険受給者の老齢年金平均月額は14万7000円
  • 国民年金受給者(新規裁定者)では5万円

一例として、夫が会社員、妻が専業主婦だった場合、老後の世帯の1カ月の収入は14万7000円+5万円で19万7000円。

前述の通り1カ月の支出額の平均は約26万5000円という金額から計算すると、毎月の生活費の不足は約6万8000円となります。公的年金だけでは老後生活費に不足するのは厳しい現実です。

国民年金のみ受給者の場合はさらに厳しく、夫婦二人で年金額は13万円程。老後の1ヵ月の平均支出額から計算すると、約13万5000円の不足となります。

自営業者の場合は、元気なうちは働くという考えをお持ちの方も多いですが、健康で働き続けられるとも限りませんし、親や配偶者の介護問題に直面しないとも限りません。私も国民年金世帯ですが、準備は必須だと感じます。

年金 不足分をどう補う?何で準備する?

個人年金保険で準備

個人年金保険とは、公的年金や会社の企業年金などでは不足する部分を自分で用意する私的年金のことをいいます。

個人年金保険には、主に「確定年金」「有期年金」「終身年金」の3種類があり、通貨や運用先などにより、「個人年金保険(日本円建て)」「外貨建個人年金」「変額個人年金」などがあります。

加入の仕方により、「個人年金保険料控除」が受けられるのもメリットです。一方、「途中解約すると元本割れする」という大きなデメリットもあります。特に、加入年数が短い間の中途解約では、大幅な元本割れをするため、基本的には老後まで遣わないお金としてプランニングすることが重要です。

つみたてNISA

2018年1月からスタートした、つみたてNISAとは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。

「つみたてNISA」とは、積立投資専用の「NISA(少額投資非課税制度)」です。「NISA」(ニーサ)という名が付いていることからわかるように、従来のNISA同様、投資によって得られた売却益(譲渡益)や分配金は非課税になります。

「つみたてNISA」の特徴として、

  • 年間の投資金額は40万円までと少なめ
  • 非課税で投資できる期間は最長20年と非常に長くなっている(現状、非課税期間は2037年までとされているので、2020年から投資を開始した場合は最長18年となります)
  • 投資方法が積立投資に限定されている
  • 投資できる商品は金融庁が定めた基準を満たすものに限定されている

こういった特徴から、投資初心者でも投資先を選びやすく、若い世代、ミドル世代の長期分散投資にもおすすめの制度です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、平成13年に施行された確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。平成29年1月から、基本的に20歳以上60歳未満の全ての人が加入できるようになりました。iDeCoは、老後の生活を送るための資産形成方法の一つとして位置づけられています。

つみたてNISAより、「老後に向けた個人の継続的な自助努力を支援する」という意味合いに特化された制度です。

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厚生年金に加入して働く

「厚生年金に加入して働く」と収入が増えるだけではなく、将来の老齢年金の受給額も増えます。障害、遺族といった万一の場合の給付も国民年金にプラスされて受給できます。

現在は、厚生年金が適用される人の範囲が広がっています。目先の手取りの給料の額だけで比較すると、厚生年金に加入しない働き方の方が有利に思える場合もありますが、将来を考えたときには、厚生年金に加入するチャンスを逃さないようにする方が結果として有効な場合も多いです。

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副業で継続収入の柱を作る

つみたてNISAも、iDeCoもメリットも多く老後の資産形成にぜひ活用したい制度ではありますが、そもそも子どもの教育費がかかる、住宅ローンの負担が大きいなど、目先の生活に追われ老後の資金準備にまでなかなか手が回らないといった場合も現実には多いでしょう。

サラリーマンやパートで月収を毎月5万円増やすのは簡単ではありません。働き方改革により政府が副業・兼業を推進するようになっている「副業」でなら月5万円の継続収入も夢物語ではありません。

「働き方改革実行計画」では、副業や兼業は「新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、第2の人生の準備として有効」とされており、よりスキルアップを図りたい労働者や終身雇用制度も崩壊した中で、自立しようとする労働者の一助になるものと考えられています。

現役中のスキルアップ・収入UPから、セカンドライフの年金の不足分を補う収入の柱として、副業という選択肢は重要になってきます。

副業でUPした収入から、つみたてNISAやiDeCoで老後の資産形成をすることは、節税と年金の不足額の準備として一石二鳥と言えそうです。

まとめ

生活の支えとなる公的年金。しかし、この公的年金だけで生計を立てることは多くの人にとって難しいようです。

老後にかかる生活費は夫婦2人の場合、平均で約26.5万円(月額)、夫が会社員、妻が専業主婦だった場合、老後の世帯の1カ月の収入は14万7000円+5万円で19万7000円。毎月の生活費の不足は約6万8000円という数字がでています。

今からしていきたい自助努力として

  • 個人年金保険
  • つみたてNISA
  • iDeCo

など、老後の資産形成に取り入れていきたいものですが、これらは、今あるお金から捻出して老後に備えるもので、教育費、住宅ローンなどそもそも今の生活で手一杯というケースも多いです。

そういった場合には、厚生年金に加入して働くこと、副業で継続収入の柱を構築することなど、「収入を増やす」ことを自助努力とする方法が有効でしょう。

今後を考える

今の時代、国の年金制度、健康保険制度などをみても、このままでは苦しくなるばかり。何かしら、手を打たないと、と漠然とした不安を抱えている人も増えています。

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