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大学無償化(大学等修学支援法)の所得制限は?最新情報と在学生、母子家庭や生活保護家庭の注意点とは?

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大学無償化(高等教育の無償化)に関連し、低所得世帯の学生を対象に大学など高等教育を無償化する「大学等修学支援法」が2019年5月10日の参院本会議で可決、成立しました。無償化は授業料の減免と給付型奨学金の拡充の2つが柱で、今国会で成立する見通しで、2020年4月に施行されます。

大学無償化と呼ばれますが正式には「大学等における修学の支援に関する法律(大学等修学支援法)」です。

大学無償化の最新情報と所得制限をわかりやすく解説します。また気になる在学生への対応と、母子家庭や生活保護家庭が制度を利用したい場合の注意点なども伝えしていきます。

大学無償化(高等教育の無償化)の所得制限の内容は?

大学無償化(高等教育無償化)には、所得制限があり、全員無償化されるわけではありません。

平成30年12月28日の「高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針の概要」によると、年収目安は約270万(住民税非課税世帯)、約300万円 、約380万円の3段階に分かれます。この年収は、両親・本人・中学生の家族4人世帯の場合の目安であり、実際には多様な形態の家族があり、基準を満たす世帯年収は家族構成により異なる、としています。

無償化の対象は住民税が非課税の世帯(世帯年収270万円未満)とそれに準ずる世帯とされていて世帯年収の目安が380万円未満の世帯が対象となります。

授業料等減免の内容は?

支援対象となるのは「年収380万円未満」の世帯で、住民税非課税世帯(年収270万円未満で、夫婦子2人、うち1人が大学生)の場合、国立大では年間授業料53万6000円が全額免除され、授業料が高い私立大学ならば70万7000円を上限に免除されます。入学金についても、国立大は約28万2000円が免除され、私立大も約25万3000円まで免除されます。

減免額は収入に応じて異なり、「年収300万円未満」の世帯は上記のような非課税世帯の3分の2、「年収300万~380万円未満」は同3分の1 となります。

給付型奨学金の内容は?

住民税非課税世帯に対する給付型奨学金はすでに前倒しではじまっていましたが、現行の内容は以下の通り。

自宅生に対する給付も増額されていますが、特に自宅外生の給付が倍増しているのは特徴的な印象です。

無償化が完全適用される非課税世帯の私大・自宅外通学のケースを考えると、授業料が上限約70万円まで免除されるうえ、年90万円超の生活費が返済不要の給付型奨学金で手当てされることとなり、そこまでするのか・・という声もあがっています。

さらに、微妙なラインで対象外となるケースとの不公平感や、偽装離婚が増えるのでは?という声が上がるなど、課題も抱えています。

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在学生への対応は?

対象者は授業料の減免と給付型奨学金の両方を受けることができるが、学力や学習意欲、進学目的などで一定の基準を満たすことが必要です。「現在在学中の学生も対象とする」となっているため、在学生は大学内でのアナウンスを逃さないよう、必要な時期までに必要な手続きしなければなりません。

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母子家庭や生活保護家庭の注意点とは?

母子家庭の注意点

大学無償化の所得制限で、「住民税非課税世帯」がありますが、この世帯には母と本人(子)の所得で判断されることになります。

大学無償化と「無償化」という名前がつくために完全に無料になるように勘違いしがちですが、国立・私立の別や学部によって一部全額無償になることはあるものの、一般的には一部免除あるいは一部が支給されるイメージです。

そういった中で、学生本人が学費あるいは生活費のためにアルバイト収入が多かったために全額支給にならなかった・・というケースもありますので、学生本人にも内容を周知してもらうことが必要です。

生活保護家庭の注意点とは

従来の給付型奨学金の基準には以下のような記載があります

  • 住民税非課税世帯の人
    家計支持者の平成30年度住民税(市区町村民税所得割)が非課税であり、家計支持者の年収(給与収入の場合)・所得金額(給与以外の収入の場合)等から特別控除額等を差し引いた金額が、第一種奨学金の収入基準額以下である(目安参照)
  • 生活保護受給世帯の人
    家計支持者が生活保護を受給している

※家計支持者とは・・父母(父母ともいる場合は2人とも)。父母ともいない場合は、代わって家計を支えている人(たとえば祖父母等)

ですので、生活保護世帯の方も対象となります。

生活保護世帯の大学進学支援を柱とする生活保護法など関連4本の改正法が成立しており、生活保護世帯の子どもが大学などに進学する際に、新生活の準備に必要な費用として最大30万円が支給されます。

大学などに進学した場合、親と同居していても別世帯として扱う「世帯分離」となり、保護費が減少します。これが生活保護世帯の子どもが進学を諦める要因になっていると言われており、新たな一時給付金は親元を離れる場合は30万円、親と同居する場合でも10万円を支給する。2018年度に進学した人から対象となっています。

ただし、世帯分離は必要なため生活保護世帯の保護費が減少することは想定しておかなければなりません。

さらに2020年4月から施行ですが、その手続きは2019年夏ごろから動き出す予定になっています。この情報が、必要とする世帯にどれだけ行き届くかも課題ですし、情報は待っているばかりでなく、自ら確認する姿勢も非常に大事です。

手続きには期限もあり、所得などでいえば、少しの違いで対象になるか、対象にならないかの分かれ道となる場合もあります。

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まとめ

高等教育への進学率は現在8割程度で、低所得世帯に限ると文部科学省は4割程度と推計しています。低所得世帯の進学率が将来的に全体の8割並みに上がった場合、支援対象者は学生全体の2割にあたる75万人程度になると見積もられ、費用は最大で年約7600億円とみており、その財源として10月に予定する消費税率10%への引き上げ分を充てるとしています。

大きな金額を投入する割には、対象となる世帯が限られるためか、全体的な関心は高くない印象です。

柴山昌彦文科相が、3月14日の衆院本会議で「財政負担に加え、高校卒業後の進路が多様であり、進学せずに働く者との公平性に留意する必要がある」と指摘しています。

同じく支援が必要な世帯であっても、大学に進学すれば学費の減免や生活費の給付が受けられ、大学に進学せず働く若者にはなんの支援もないというのでは、とりあえず進学しておこう的な大学の質の低下にも繋がる恐れもあり不公平感もあります。

大学進学を目指しており、経済的な理由で諦めざるを得なかった世帯には素晴らしい制度であることは間違いありませんが、国全体としては課題も山積しています。

今後を考える

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